僕は忘れない、あの日のことを

140字では伝えられない。

サブスリー達成時の練習について

ellroyandblue.hatenablog.com

2回目のマラソンで3時間を切りました。今回はやった練習について書いていきます。

サブスリーの練習法の類は世に大量に出回っているので、場末まで見に来る人はいないかなと思いつつも、この手の情報はいくらあっても困らないかなと思ったので……

 

◆私について

私とあなたの走力は異なるため、前提として私がどの程度の能力なのかを書きます。

2020年熊本城マラソンで3:26:54

ellroyandblue.hatenablog.com

それはこちら。記録のある範囲だと、当時の練習は5~9.5kmを1km4:30ペース、30km走るときは4:55くらいで走っていたみたいです。ちなみに特に言及がなければ全部赤信号では時計を止めています。30kmのとき計30分とか止まってると思います。これがマラソンに出ようと思った時の能力で、ここからマラソン後も月間150km程度走っていて、その間の能力は特段上がりも下がりもしていないと思いますね。

 

2022年の北九州マラソンは最終的に開催されませんでしたが、2020年10月から中止が決まる1月中旬までは今回と同じく3時間を切るべく練習していました。(このときはわりと舐めていましたが……)

走行距離はこれくらい。

具体的に走力を示すものでは、このときの1月の中旬で20km走ったときのデータがこれです。ちなみにいっぱいいっぱいの走りです(絶対3時間とか無理じゃん)。また、このときは信号のないところを無補給で走っています。

ここから練習量を落としたため、このあと微妙に能力は落ちているかもしれませんが、2022年3月・7月にやった12分間走は3200mでした。

 

2022年9月から今回に向けて練習を始めました。

 

◆今回の練習について

走行距離はこれくらい。サブスリーの月間走行量のボリューム層って250~300kmらしいので、多めかもしれません。でも一年間平均で250kmなのか練習はじめて250kmなのかで全然違いますよね。あれどっちなんだろう。私も一年間の平均はそれくらいになりますが。

ちなみに週5勤2休を保ち続けました。

基本は月金が休み、水・土は強度の高い練習、火・木・日がジョグです。(土日は入れ替わることも多いです)

 

やったのはほぼジョグ・1kmインターバルの二つだけ。

これに11月くらいからペース走が少しずつ入ります。

また強度の高い練習は信号のないところでやるため、そこに行くまでに往復5kmずつくらいジョグが入ってます。

 

具体的には以下の通り。

 

(読み替え表)

9月:23週~20週

10月:19週~16週

11月:15週~12週

12月:11週~8週

1月:7週~4週

2月:3週~0週

 

【日常のジョグ】 ◆1km4:55~5:10くらい。最大心拍の80%以下

9月は9kmが基本でしたが、少しずつ距離を伸ばして12~1月はほぼ全部15kmです。ペースはほとんど上がっていません。

これに軽いダッシュを80~100m、5本~くらい入れていました。

もっとも全力で走れる場所があんまりなかったので、場所を選んでジョグを一旦中断して走っています。ですから、15kmのときも10km+ダッシュ5本+5kmと表現した方が良いかもしれません。本当は中断せずに後で入れたほうがいいんでしょうけど、難しいですね。

 

【インターバル】 ◆1km3:40~3:45。リカバリーは2:00→1:30

これはペースもリカバリーも色々変わりました。

9月は1km3:45、リカバリーは400mを2:00~2:20くらい。4本から5本。

10月の終わりにはリカバリー400m2:00(※1km5:00)で8本走っています。

11月2週目にリカバリーを1:30(※1km5:15~5:30)に変えましたが、これで8本安定して回るようになったのは12月の終わりころです。

2月2週目に最後にやったときは、リカバリーは同じ速度で、なんか1km3:40で8本回りました。

 

【ペース走】 ◆10km 1km4:00 15km 1km4:05 基本は10kmです。

強度の高い練習をする週二日は9月から2月まで計40回以上あるわけですが、これはそのうち11月から2月までで計6回しかやっていません。11月1回、12月2回、1月1回、2月2回。また、一週間前にやったときのもペース走に分類していますが、トラックでどれくらい走れるか全力でやりました。

 

【マラソンペース走】 ◆25~30km 4:10 ※給水時時計止める

1月に週1で3回やりました。25km二回、1月最終週に30kmを一回。本当は4回やるつもりだったのですが、1回は潰れて15kmで練習をやめています。

25kmの二回は普通に5kmジョグして25km走って5kmジョグして帰っていたのですが、30kmのときは流石に怖かったので行きも帰りも歩きました。

5~6km毎に給水しましたが、そのときは時計を止めています。実際の経過時間で計算すると1km4:14くらいです。

 

そのほかに2時間走(1km5:00)が2回、スピード練習の一貫で12分間走が3回あります。

 

◆参考にしたものと、走る以外の練習について

カスなので全ての情報をインターネットから得ました。本とか買え。

ミズノランニングアドバイス

物凄く参考にしていました。でもこの練習量で2km3:40×4とか回るようになったら相当才能あるよねと思うときもあります。

 

ミズノコアトレーニングプログラム

これは2021年の練習時もちょくちょく入れていました。

今回も9~11月くらいは思い立った時にという感じですが、12月以降は週5とかやってましたね。

 

www.youtube.com臀筋・腸腰筋レーニング。これは12月の終わりくらいからやり始めたと思います。週4回って言ってたので週4回くらい。

 

www.youtube.com

これも12月の終わりくらいから寝る前にやりはじめた記憶があります。

2021年に練習していたときは膝も股関節も足首も痛かったのでもう少しケアに力を入れていたんですが、なんか何も痛くなかったので適当になってしまいました。

 

このチャンネルで取り上げられたランニングドリルでは

www.youtube.com

これとかもちょっとやっていました。

ただ走るのに影響が出るほどちゃんとこの手の練習していたかというとそんなことは全くない気もしますが……

 

こう書くとわかりますが、走る以外のことをやりはじめたのはほとんど12月以降です。こういうものは最初からやっておいた方がいいと自分でも思いますが、気力や体力的に最初からあれこれ挑戦するのは難しかったですし、そもそも能力的に気にする余裕もありませんでしたね。走る能力が上がったことで、逆にこういうのもやった方がいいかなと思えるようになった、ということです。

みなさんもまず走って、余裕が出てきたら色々やれば良いと思います。

 

◆最終的にどれくらいの能力だったのか

本番3日前に12分間やりました。3400mなので、200mくらい上がってますね。

本番一週間前にやったトラック10000mはこれ。

 

こんなところです。参考になれば幸いです。

 

 

好きでも得意でもないことに没頭する(北九州マラソン:サブ3記念)

ということで北九州マラソンを走りました。

記録は公式2:58:18、スタート地点からのタイムは2:57:54で無事に3時間を切ることができました。全体230位。2回目のマラソンで3時間切りました。すごい!

どうでもいいけどまた雨でした。どうして

昼からは晴れてました。どうして

 

北九州マラソンは小倉からスタートして、八幡の(故)スペースワールドの方に行って戻って門司まで行ってまた小倉に戻るというなんか42kmって長いなって感じの市民マラソンです。(そりゃ長いよ)

高低差はあまりないのですが、小倉門司間はずっと海沿いを走る関係上、風が非常に強いことで知られています。特に折り返した32kmあたりからとてつもない逆風になって死にます。

 

練習については記事をわけようと思います。フルマラソン3時間を切ったときの練習量みたいなのは世に死ぬほど出回っていますが、まあいくらあっても困ることはないと思うので……

ellroyandblue.hatenablog.com※書きました。

 

◆レースについて

戦略というほどのものはなくて、15kmくらいで3時間のペースメーカーを見つけてついていこうかなと思っていました。風が強いのは知っていて、このペースメーカー周辺は絶対に大集団になるし風よけに使うぞと思っていました。

 

11000人が同時に走る以上、序盤のペースはどうしても安定しにくいです。私の周辺にもたぶん500人くらいいます。ヤバ。最初の1kmは4:30とかだったのですが、号砲からスタート地点までに25秒くらいかかってることを考えると、これでも飛ばしすぎだったかなという気もしますね。走ってるところだとたぶん1km3:50とか出てます。2kmくらい? で3時間のペースメーカーの人が後ろから帳尻合わせにぶっ飛ばしてきたんですが、ここからついていくとスピード速すぎで死にそうなので、先に行かせて15kmくらいかけて追いついていくイメージです。でもぼくのペースが全然安定しなくて結局10kmくらいで追いついちゃいましたね。

 

ただ集団と一緒に走れてペースも心拍も安定してきて、なんとなくいけそうと思いはじめました(気が早すぎる)

が、20kmくらいで道幅が狭くなって集団の端にいた私はなんか列から弾き飛ばされそうだったので、流れで集団の前に出ることに。潰れても知らね~の気持ちでもうそのまま進むことにしたんですが、32km周辺の風はちょっと本当にヤバかったので、また集団に取り込まれて、そこからは頑張ってついていって終了です。

ラップはこんな感じ。

後半のはっきり遅くなってるところが門司周辺です。一瞬で4:30くらいまで落ちましたね。あれ絶対人が走る環境じゃないですよ。

 

◆レースに付随する話

一人行には一人行のいいところがあって、それはあんまり人と接触しないことですね。特に給水周辺はペースメーカーの集団では戦争状態になります。ぶつからない方が難しい。

というか給水のコップを道に捨てるのはやめちくり~。面倒でも接近してゴミ箱に入れなよ。遅れても1秒くらいだしすぐ追いつけるでしょ、みたいなのも思ってました。

ペースメーカーについていく良さはもちろんペースを考えなくていいというのもありますが、勝負してるという感じでもないので、「あと5km頑張りましょ~!」「おー!」みたいな声かけがあって、元気になれます。3時間切るのを目指している人は絶対についていてった方がいいだろうな~と思いました。風が強い日は風除けにできるという実利も大きいですね。

 

◆後記

大学時代、このままだと運動不足で色々終わりそうということではじめたランニングですが、なんか気づけばわりとすごい方の記録を出すことができました。男性の上位3%ランナー!

今のところもっと上を目指すとかそういうのはもう考えていなくて、運動は継続するにしろまあなんかほかに別のことをはじめてみたいなくらいの気持ちです。ほかのことが思いつかなくてだらだら走っているかもしれませんが……

 

運動不足解消の習慣としてはじめたことなので、走るのが趣味と言われると別に走るのは趣味ではないが……という気持ちになるし、走るのが好きかと言われると別に好きではないと言いたくなります。運動が得意かというとそんなことは全くなくて、学生の頃は短距離走はギリ平均くらい、一番マシだった長距離でも甘く見て中の上くらいだった気がします。部活は地区大会一回戦負け常連です。

 

そんななので、日常で走るのが楽しいとも思ったこともまあないです。

好きとか楽しいとか、そういう原動力がなくてもこれくらいはできるんだなと思いましたね。一瞬の達成感を目指してなのか、強迫観念なのかなんにせよよくわからない何かに駆られても。世界のトップを目指そうと思ったらそのことが好きで好きで仕方がない、みたいな人じゃないと無理なのかもしれませんが、私は別にそういうわけではないですしね。

 

新しいことをはじめてみたいと書きましたが、何をやっても上達を目指そうとしたら案の定おもんね~と思ったりつれ~と思ったりすると思います。やっぱりそれでもそのことに没頭していたい。好きでも、得意でも、楽しくなくても良いので。

名前のない、綺麗なもの(五島旅行)

実は放置ブログではないらしいですね。

10/8-10/10で五島列島に行って来たので、感想を書いていこうかなと思います。

ちなみに二日目はすごい雨でした。悲しみ。

 

◆はじめに

五島は北から中通・若松(この二つを中心とする地域を主に上五島といいます)・奈留・久賀・福江の主に五つの島と本当にたくさんの島からなる諸島です。

今回行ったのは、主に福江島中通島。中通から橋で繋がっている若松島頭ヶ島にも行きました。初日に福江島、二日目に中通島の南、奈良尾に上陸して若松島を見つつ北上、三日目に頭ヶ島周辺を見て、有川(中通の中心部)-佐世保の船に乗って帰宅という感じです。

島は全体にリアス式海岸で、しかも福江の中心部を除けばほぼ山でめっちゃうねうねしてて運転が大変そうでした。いや、ぼくは運転してないです(ごみ)

 

◆五島の暮らし

世界文化遺産の長崎天草の潜伏キリシタン関連遺産群の構成要素となっているとおり、隠れキリシタンが弾圧を避けて共同体を存続維持する試みが行われた地域です。信徒発見以降、多くの教会が作られていて、本当にたくさんの教会を見ました。まずはその話。

これは完全な余談ですが、天草の崎津に行ったときは世界遺産ではなかったんですよね。なんか感慨深いものがあります。いや五島では野崎も久賀も奈留も行ってないから12の構成資産の大半はまだ見てないんですけどね。

 

※信仰を持たない身なので、着目点が完全におかしかったりしていますが、大目に見ていただけたらなと思います。

 

福江で行ったのはまず井持浦教会。

日本最古のルルドとして知られる教会です。ルルドについてはぼくも詳しくないのでwikipediaを見てください()

造られたルルドの洞窟。ちなみに今は奥に蛇口があります。そうなんだ……

実は教会の入り口に水質検査の結果が貼ってあって、飲用できるようになっていました。あとで違うルルドも見たのですが、そこでは飲用する際は必ず煮沸してくださいと注意喚起されていたので、この辺の信仰と現実の折り合いがちょっと面白いなと思いました。

あとマタイから引用された教会入口の言葉がめっちゃ良かった。歓迎にもソースがある。

福江では堂崎天主堂にも行きました。

映えだ。ここは五島で最初にできた教会で、後にレンガ造りで作り直され、今の形になりました。中は今は資料館になっています。

撮影は禁止ですが、幕末-明治期に宗教教材として宣教師が長崎の版画師に制作させた「最後の審判」の版画が良かったです。何が良いかというと、この版画に描かれている悪魔はどう見ても日本の地獄の鬼の造形なんですよね。神は神っぽい姿なんですけど。当時の日本人が思う悪魔の姿、なんか和洋折衷といった感じで、珍しいなと。

 

上五島では桐教会、土井ノ浦教会、鯛ノ浦教会、青砂ヶ浦天主堂、冷水教会、大曾教会、頭ヶ島天主堂と多くの教会を見ました。青方教会という大きな教会にも行ったんですが、ここの駐車場でご飯の予約をしてる間に入る時間なくなってそのまま出ました。カスムーブだ。ごめんね。

まず桐教会。あとで載せるのですが、この教会から見える景色が本当に最強だったので、教会自体の印象は完全に飛びました。悲しい。

若松島にある土井ノ浦教会(写真下手くそ選手権)

観光ツアーかな? の人々と一緒になって、案内のおじさんが解説していました。でも教区の話でちょっと難しかった。おれはよわい。

隣に資料館が併設されていますが、ツアーの人がそのために開けたのかわからなくて日和って入るのやめました。おれはよわい。

ちなみに南には、弾圧を避けて洞窟に避難をはかったというキリシタン洞窟があるのですが、現在も陸路は繋がっておらず(!)船から行くしかないです。なんという秘境。

旧鯛ノ浦教会。

旧鯛ノ浦教会と現在の鯛ノ浦教会。

旧鯛ノ浦教会は鐘楼の一部に被爆した浦上天主堂の煉瓦が使われているそう。現在は資料館と教会学校の教室として利用されているらしいです。ハリーポッターの一巻とかコナンの漫画とかおいてました。

あと、いつのものかわかりませんが、「親子で学ぶ教会の教え」というプリントがあって、受け継がれるものがあるのだなあと思いを馳せました。ちなみに内容は、『最初の殉教者・ステファノ(殉教者の意味をおかあさんからききましょう!)』みたいな感じです。ステファノの方を初めて聞きました。

青砂ヶ浦天主堂。五島のレンガ建築の規範となった教会だそうです。そういえばたしかに五島の教会はゴシック建築が多かった気がしますね。ステンドグラスも多いし、ステンドグラス意匠は五島のお土産にも使われがち。

冷水教会。ひやみずと読みます。実は名前をあげた教会の多くを建築した鉄川与助という五島生まれの建築家がてがけた最初の教会で、建築設計技術の関係? でシンプルな作り。(どれを作ったかは調べてね)

ちなみに教会前のバス停の待合は色合いを教会に合わせていて、かわいいです。

時刻表はあんまりかわいくありません。

大曾教会。同タイミングで郵便配達が来ていて、郵便は津々浦々に届くのだなあと思いました。(教会の感想は?)

頭ヶ島天主堂。この教会を含む集落は世界文化遺産構成資産。近隣で取れる砂岩でできた天主堂で、面白いつくり。下に空いている穴は換気口らしいです。マインクラフトにある砂岩ってこういう感じの色じゃないっけとちょっと思いました。

頭ヶ島は元々無人島で、19世紀には病人の療養地として利用されていたそうです。そこに、前田儀太夫という人が開拓でこの島への移住者を募った際、仏教徒であった彼を隠れ蓑として、幕末-明治初期の弾圧を逃れて隠れキリシタンが移り住んだそうです。のちに移住した隠れキリシタンカトリックに復帰してつくられた教会が、この教会。

そういう経緯の関係からか本当にとてつもなく行きにくい場所にあり、上五島空港(現在定期便がない空港)にいたる道から外れて下っていくのですが、全体に山道が多かった今回の旅程でも一番カーブがきつい感じでした。ヘアピンこえ~!

 

この周辺は、砂岩と、九州本土から弾圧を逃れた隠れキリシタンがもたらした石積み技術を組み合わせた集落景観が特徴で、これは頭ヶ島の対岸、中通島の北東にある友住地区。人が住んでいるので、写真はあんまり。(ヤマトも来てました)

路地は迷路のよう。

お城にでもなりそうな立派な石垣。人が減って家が取り壊されてるのか、ちょくちょくコンクリートの空き地がありますね。

こんな感じ。昔はこの辺も一帯石畳だったらしいです。水道とかの関係かな?

教会ではない歴史的施設というところでは、福江島では明星院というお寺にも行っていました。(時系列無視)空海遣唐使の帰りに訪れたと言われるお寺で、命名空海によるもの。本堂の格天井は狩野派の画家による花鳥図が描かれていますが、撮影は禁止。行って見てね。

奥が本堂。鐘が最初見つかんなくてちょっと古民家っぽいいでたちだなと思いました。

 

帰る前に五島で盛んだった捕鯨の歴史が紹介されている鯨賓館ミュージアムにも行きました。フェリーターミナルに併設されていて優しい。(展示は基本撮影禁止でした)

面白かったのはマッコウクジラの歯でできた将棋の駒ですね。現代のプラスチック駒に近い立ち位置なのか、嗜好品なのか。どっちなんでしょうね。後者かなあ。

あと、近現代の捕鯨で利用される、捕鯨砲で打ち出される銛も展示されていました。これはもとは尖っていたらしいですが、命中率が悪くなるということで、先端が平らになった銛に変わったらしいです。高速で発射されるからこれでも問題なく突き刺さるんだとか。尖った銛だとなんとなく猟ってこういう感じだよなというイメージがついたんですが、先端が平らの柱みたいになってる銛が突き刺さるというのはなんか想像するとかなりのグロだなという気持ちになりました。

 

そんな感じです。それ以外の五島の話としては、電気自動車の利用が盛んで、レンタカーにもあったり、上五島では一人乗りの電気自動車がホテルにおいてあったりもします。

充電の標識も割とたくさん見ました。

まあぼくらは普通にガソリン車に乗りましたが(なんでこの話したの?)

風力発電の発電機もたくさんありました。撮るの忘れちゃった。

 

これも余談ですが、教会や寺院周辺で利用したトイレがどこもきちんと整備されていて、ちゃんとしてるなと思いました。今も教会として利用されているというのもそうなんでしょうが、観光地としてしゃきっとしてる感じが好みでした。

 

◆五島の自然

これは本当に綺麗で、感動しました。写真多めで振り返りたい。

 

福江で最初に行ったのが大瀬埼灯台。ここはぼくが五島に旅行に行く際にもっとも行って見たかった場所です。福江島の一番西にあります。

これは灯台付近の展望台から。ドラクエにこういう場所ありそう(適当)

展望台の反対側の景色も雄大

 

実際に灯台に行くまでは1km強ちょっとした山道を歩かないといけないので大変。ヒールの女とか革靴の男がいてマジ? ってなった。みんなはスニーカー履いてください。

野生の鹿もいました。ビビるわ。でも向こうは本当に近づくまで全然ビビらなかった。まいりました。

 

扉に落書きされてて悲しい気持ちになった。

灯台から来た道を振り返ってもすごい。よく歩きました。

そんな感じです。ここは車借りて本当に最初に行った場所なんですが、正直言ってここを超える光景は今回ないのではと思ってました。開始2時間で旅行終わりじゃん。

 

福江では鬼岳にも行きました。中心部からちょっと南にある山で、2500年前くらいに最後に活動したと言われているあんま動いてない火山。

のぺっとしています。WindowsXP阿蘇でもこれ言った気がしますね。

福江市街を望む。

全面草原で、広範囲にわたって草が刈られて整備されていて、広範囲をうろちょろできます。言い方

 

上五島では矢堅目の展望所に行きました。中通島の北側にある奈摩湾という湾の入り口にある場所で、湾の守備隊を置いたことからこの名がついたそう。矢で堅めたから矢堅目です。

夕日がきれいらしい。傘写ってますけど……。写真だと伝わりにくいですが、巨大でとてつもなく存在感があります。個人的には天気がめちゃくちゃ悪いのもあって、なんか火曜サスペンスの犯人が追い詰められてそうな感じだなと思ってました。最悪の感想だ。

降りて向こうまで近づけるっぽいのですが、なんかもう嵐の様相で滑落の恐怖を感じたのでここで帰りました。

自然を見るとして行った場所って実はこのくらいなのですが、五島はどこを見ても本当に美しくて、そういう特別な名前のない、でも好きだなと思った写真も一緒に載せていこうかなと思います。

堂崎天主堂周辺の夕景。

ここから上五島。桐教会周辺の瀬戸。今回の旅行で最も感動した光景かもしれません。海、透き通りすぎ。碧の海ってここまで綺麗になるんだな。

大曾教会の風景。

頭ヶ島の海。

そんな感じです。

 

◆旅行について

五島は船便が多くなくて、とにかく計画性が問われてきますね。厳しい。ぼくはほとんど関わってないんですけども。車も運転しないし、完全に人の旅行にタダ乗りのカスじゃん。hai,sumimasen.

世界遺産の構成資産、久賀、奈留は日程に余裕がないと行きにくいですし、野崎島に至っては小値賀という島に行って、そこからさらに渡らないとたどり着かないです。無人島なので。実は当初は博多からのフェリーで小値賀に行って野崎に行くというプランもあったんですが、小値賀着が午前4時45分という地獄の行程なので、断念しました。

まあそもそもこのフェリーは予約いっぱいで急遽長崎に前泊、ジェットフォイル(長崎-福江が1時間半弱)で移動というルートに変更になったんですが。(フェリーの方が安いので、良い子のみんなはフェリーを利用してください)(博多23時45分発-福江午前8時10分着で、良いです)

ツアーを利用したり、余裕があるなら海上タクシー! を使うのも手なのかもしれませんね。いっそ一日一島くらいのイメージでいけばいいのかなあ。

 

もう一つは食事の問題。連休中の島内の観光客に対して、飲食店が明白に不足しているので、晩御飯どっかあるやろの精神で臨んで死を見ることになりました。昼ご飯も普通にお昼しか営業しないです。いつまでもは開かない。一日目の昼は普通にローソンでパン食べてました。おしまいだよ。

 

(上)五島ではハコフグを食べる文化があって、ハコフグ自体を器にする「かっとっぽ」という料理があります。見た目の迫力がすごい。調べてみてね。これがめちゃ気になってて、食べてみたかったんですが、だめでした。悲しみ。いつか食べてみたい。

 

まあなんだかんだホテルで朝から鯛茶漬け食べたりしました。おいしい!

五島うどんも無事に食べられました。麺が本当に細い。ミスったそうめんみたい。ミスったそうめんって何? あごだしも良かったです。

 

◆おわりに

久賀島奈留島小値賀島野崎島福江島の北西部……行けていないところをあげるとたくさんあげられるんですが、行ったところは満喫できました。晴れてたらもっと良かった。

あとさっきも書きましたが、ガチで旅行にタダ乗りしたカスだったのでもうちょい主体性をもって旅行したいですね。

 

これは記事中貼るタイミングがなかったかわいい看板。

おしまい。

そうは言ってもたまには(熊本城マラソン2020完走記念)

というわけで、熊本城マラソンを走ってきました。雨激ヤバ風もクソ強で本当に命削って走ってるな……人はなぜ……って感じでしたね。

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結果はグロスタイム(号砲からの記録)3:26:54。ネットタイム(スタート地点からの記録)は同18秒でした。3.5hを切るのが目標だったので、まあそこは達成できて良かったな~と思いました。というより、初めてのマラソンだったので途中で棄権しなくて何よりでした。普段95%近い完走率が今回は83.3%だったそうで、まあ如何に狂った環境だったかがお分かりいただけると思います。

 

◆速さに引っ張られる

最初にレースの話。一応目標は3時間半という話をしていたのですが、実際のところ必要なペースである4:58/kmは正直ほぼ確実に達成できると思っていて、最初は4:40/km前後で行こうかな~と思ってました。4:37/kmが3時間15分を達成するために必要なタイムで、まあ狙えるなら狙いたい記録だと思っていました。厳しそうな気はしましたが、前目に突っ込めば確実に3時間半は切れますしね。

ただ実際は37kmくらいまで4:30~4:35/kmに記録が集中していて、かなりハイペースで刻む感じになってしまいました。前に抜けそうな人がいると追い抜きたくなる衝動を抑えられない気質なので、それで不必要に体力を使った気がします。周囲の速さにひきずられずに自分のペースを保つのは難しいな~と思いました。ぼっちは人と走らないので……

ただ走ったことのなかった35km超えてもペース保てていたので、新城直衛の「もしかしたらならば……もしかしたならば なにもかもがうまく」の画像みたいになってました。そんな甘くなかった。

 

◆とても寒い

この日はマジで雨がすごくて、あと風もすごくて、とてつもなく寒かった。熊本市中央区3時間降水量が最大18.5mmで爆笑した。最大風速は7.4m。なんだ? 苦行か? あと朝が16℃だったのが昼には10℃くらいまで下がっていたので、どんどん寒くなるのがほんと辛かったですね。こっちは濡れてるんやぞ!

 

そういえば同じくらいのペースで走る人に比べるとぼくはマジでランナーっぽくない恰好だったんですが、陸上競技者っぽい布面積が少ない服だと雨で身体に布が張り付かないのがいいなとなりましたね。あれが寒いし走りにくいんですよ。8kmくらいで走りにくくてレインコート捨てちゃったんですが、あんな雨が強くなるなら持ってりゃ良かったな~と後悔しました。

で、37~39kmくらいに4:45/kmくらいに少しペースが落ちて、まあそんなもんだよな~と思っていたら39~42は6:00/kmを超えるという走ってんのか歩いてんのかわかんない感じになってしまいました。前半の影響ですかね~。反省したい。ちょっとでも止まるとばりばり身体が冷えてどんどん走れなくなる超悪循環で死にそうになりました。沿道の人々にめっちゃ応援された。みんなありがとう。

 

◆完走!

熊本城マラソンは最後の最後にちょっと坂があるんですが、もう歩いていいかな~と思っていたら後ろから走ってきた人にファイトと声をかけられて(本当は同伴とかの何者かにかけた言葉でぼくにかけた言葉じゃなかったのかもしれませんが……)、200mくらい最後に頑張って走りました。あれは本当に助かりました。ありがとうありがとう。

記録は前述の通り。3時間20分くらいやってやりたかったのでちょっと悔いが残りますが、状況も状況でしたし、フルマラソン自体初めてだったので最低限の目標はクリアできたのでまあ赤点は回避かなという感じです。次は一度も歩かず走りたいですね。

 

◆練習について

月間走行距離は11月250km12月150km1月200kmという感じです。2月は90kmくらい。普段は10km弱走って、3か月で6回くらい30km走りました。インターバル走とか巷でやってるようなそれっぽい練習は全然していません。それっぽいって何? 素人か? 何も参考にならないな……。

膝がめちゃくちゃ痛くなったり体調を崩したりで、思ったより走れなかったなと。3か月前くらいからは月間250kmくらい走りたかったですね。股関節を柔らかくしてストライドを伸ばすのと、体幹の強化を頑張っていきたい。まあ泳いだり自転車こいだりもしますが、3時間切るまではマラソンも続けるつもりです。

 

◆後記

正直言って走るのが好きかと訊かれるとかなり怪しくて、身だしなみを整えるのと同じように無様な自分でいたくないみたいな発想の方が強いなと思っています。疲れてお風呂入るの面倒でも入るでしょう。眠くても歯を磨くだろうし。同じように寒くても眠くても運動しなければならないな、みたいに思うわけです。

まあ足が速くなってもオリンピックに出られるような人間になるわけではないですからね。これは将棋も同じで、アマチュア四段になっても五段になっても何にもなりません。せめてそういう自分でいたいというだけで。

毎日身だしなみを整えるのは生活であって努力ではないように、日常的な運動は習慣であって別に頑張ってしていることではありません。

 

公的な記録を取ることは、綺麗な歯コンクールとかそういうレベルの話にすぎないなと思います(綺麗な歯コンクールって何?)。出ても何かを得られるわけじゃないですが、こうして記録が出たら、自分が倦まず弛まずすべきことをこなしたという証にはなるのかなと。だから、これは努力ではないと思っていても、そうは言ってはたまには、お前は毎日きちんとこなすべきことをこなしたのだと認められたい。所詮そういうお話です。

第四期指す将順位戦完走記念

第四期の順位戦も無事に終わりました。結果は入れ替え戦をいれて7勝5敗。不戦勝が二つあるので指してる分の成績は五分ですね。今期は対局前に毎回お腹を下しており、そんな緊張することか? と思いつつも頑張って指していました。

ということで振り返りをしていきたいと思います。

 

指す将順位戦A級3組第1回戦 エルロイブルー-きっくー | Shogi.io(将棋アイオー)

一手損角換わり。勝ち。

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右玉しか指されないということもあり、読みやすいところはありました。55銀は考えていた順ですが、54歩で強く来た時に本当にうまくいくかは微妙だったと思います。本譜は攻めが炸裂しましたね。

 

指す将順位戦A級3組第2回戦 エルロイブルー-やっしー | Shogi.io(将棋アイオー)

角換わり。負け。

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見落としもあってお話にならない将棋といった趣だったんですが、そもそも指し手に一貫性がなくて全然ダメでしたね。24歩は明らかにやりすぎという感じで、自玉をもう少し顧みるべきでした。

 

指す将順位戦A級3組第3回戦 ナカアオ-エルロイブルー | Shogi.io(将棋アイオー)

四間飛車。負け。

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この将棋も悪くしてから手なりで指して普通に負けてるという感じで反省が必要な将棋でした。この局面とかも57歩同銀65桂68銀と固めさせているようではという感じです。

 

指す将順位戦A級3組第4回戦 エルロイブルー-辛党 | Shogi.io(将棋アイオー)

対角交換四間飛車。負け。

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同飛41角32角成同飛車24飛車と蛮族としか言いようがない指し方をしてそのまま負ける将棋で、見てる方としては面白かったかもしれません。互いの陣形を見てこうする奴はまずいないので狂っていますね。前二局が手が伸びずにごく普通に負けた感じだったので、景気よく行こうとは思っていましたが……

 

指す将順位戦A級3組第5回戦 エルロイブルー-おっさん | Shogi.io(将棋アイオー)

乱戦。勝ち。

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一歩も引かない激しい戦いになりましたが、先手玉の一瞬の堅さがうまく生きたかなという感じがします。ギリギリのところなので、指してるときは気が気じゃなかったですね。

 

指す将順位戦A級3組第6回戦 エルロイブルー-黒ぬこ | Shogi.io(将棋アイオー)

四間飛車。勝ち。

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全体的に指し手に自信がない感じで、勝てたのは結果的には運が良かったという印象です。この57銀とかは特にそうで、何を受けたいのかはっきりさせてから受けるべきだったと思います。

 

指す将順位戦A級3組第7回戦 hokuroc-エルロイブルー | Shogi.io(将棋アイオー)

角換わり。勝ち。

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一局通して結構危ない目を渡っていましたが、決めに行く段では落ち着いていたかなという感じです。再三の28歩とかは遺漏なく指せていて良かったなと。

 

八・九回戦は不戦勝です。

 

指す将順位戦A級3組第10回戦 うぇいつぅ-エルロイブルー | Shogi.io(将棋アイオー)

一手損角換わり。負け。

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お互い戦いを全く避けない棋風で、二期連続で両者とも居玉という激烈な戦いになりましたが、角桂の使い方に差が出たなあという感じです。ここも打つなら当然45でしたね……。正直15角の筋を何度は見逃していて、居玉のときは角の効きをちゃんと確認しようねと思いました。

 

指す将順位戦A級3組第11回戦 エルロイブルー-すうせい | Shogi.io(将棋アイオー)

四間飛車。勝ち。

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今見るとポンポン桂を指せたことで満足してしまってないかと思います。特に終盤のフラフラぶりが本当に凄い。この局面も角打つ奴いないだろ……という印象です。結果は僥倖です。

 

指す将順位戦A2-A3入れ替え戦 燕軍団-エルロイブルー | Shogi.io(将棋アイオー)

角換わり。負け。

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前のめりに指して自爆する負けパターンでしたね。駒を渡すだけ渡して22玉と手を戻すのは愚かとしか言いようがなくて、我慢すべきところで我慢できなかったのは大きな反省点です。これは完全に負けだな、という局面から粘ったのは褒められるところかなとは思います。

 

といったところ。

今期も角換わりと対振り飛車だらけになって、もう少し作戦にバリエーションが欲しいというか、これほどシステム化された戦型でも序盤適当なので序盤の勉強をしようねという感じです。

最近は時間をちゃんと使うことを意識して指していて、ぱっと指して最悪手みたいなのはあまりなかったのが良かったなと思います。まあ考えて悪手を指してるのは本当にいっぱいあったのですが、そちらは実力なので仕方がない。最終局の消費時間は自分が40分で相手が30分ですから、とてもよく頑張ったなと自分を褒めてあげたい。はじめて参加したときは同じくらい時間使ったら間違いなく途中で何も考えられなくなっていたので、思考の体力がついたなあと。

いつも対局相手の棋譜を見てからどういう方針でいくのか決めていたのですが、今期はそちらの方がおざなりだったのは反省点です。何指すのかわからないで指してるのでは野良で指すのと基本的に変わりません。作戦がハマるかどうかではなく、考えること自体が財産ですからね。私は定跡の本基本的に読まないし(やれ)

 

全体としてはやや不戦が多かった印象ですが、前期と比較していないのでただの印象論かもしれません。まあ見た感じでは大きな不満なく滞りもなく進行していて、対局予告・結果も進化(指す将システム凄いな)していて非常に快適?なリーグだったと思います。運営お疲れさまでした。

 

来期はやっぱりはっきりとは決めていないのですが、特別何かなければ不参加になると思います。参加するからには対局相手の研究も将棋も真面目にやりたいところですが、今期はちょっと色々とお粗末なところもあったので、良くないなと。いや全局コメント付きで棋譜を残してこうしてブログも書いてる私は、極めて真面目な参加者では? と自賛したくなる気持ちはたまに発生しなくもないのですが!!!(前期も言ってる)

表現の結晶 感情の奔流◆花譜 不可解 感想

皆さん見ました!!!???

ぼくはライブビューイングで見たんですけど!

花譜ちゃんのライブヤバすぎじゃなかったですか ? 映画じゃんあんなの。ズルだよ。

エンドロールでellroyandblueって表記みたときに泣いたよね。

そんなわけで感想です。アーカイブはないのでどこに向けた文章なのか書いててわからなくなってきたんですが、備忘録なのでセーフです。

あと二時間花譜に曝露し続けたため感情に押し流されて記憶が飛んでいるところもありますが、ご了承ください。(備忘録とは?)

 

 

最初に簡単に説明しておくと、花譜は現在15歳のバーチャルシンガーです。親の意向とか種々の事情で顔を出せない女の子が、歌うためにバーチャル受肉していると理解していただければ大丈夫。GReeeeNとかClariSとかそういうアレです。花譜の場合はバーチャル化しているわけです。

 

花譜は声質がとても特徴的で、それが魅力と言われていて(聞いたほうが早いぞ)(花譜 - YouTube)、まあ実際にそれはそうなのですが、ぼくが一番の魅力だと思うところはやはり表現力です。言葉に感情を乗せる能力が異常なほど強くて、感傷マゾ如きなら一撃で殺せる能力があります。


花譜 #21 「過去を喰らう」-予告編-【オリジナルMV】

これは歌詞を音読してるわけなんですが、語りにこれだけ情感あるのはちょっと凄いと思いません? 感情を強烈に込めるのは花譜の大きな魅力です。

 

一方で普通に話すととてもあどけないのがもうひとつの特徴で、歌うと格好良いのに話すとめちゃくちゃかわいい。これもライブにおいて重要な要素です。でした。


花譜 #18 「花學」

これは高校入学後の動画(※花譜はリアルの姿を出せない高校生がVR化した存在なので、多くのVのものと違って我々と同じ時間軸で成長する)です。勉強で笑っちゃうのが学生っぽくてたいへん良い。

 

さて不可解ですが、最初に歌がばーんとくるかと思ったら詩の朗読から入るんですよ。

で、詩の最後に

バーチャルとリアルの繋ぎ目から いまここにいるよ ここにいる いるよ

ときて、そこからいきなり『糸』に入るんですね。ここにいるよ、の力強さでもう死んでいるわけです。完璧な導入でしたね。


花譜 #06 「糸」 【オリジナルMV】

 

『糸』が終わるとちょっと挨拶してすぐ『忘れてしまえ』→『雛鳥』→『心臓と絡繰』と既存のオリジナル曲が連続してきて、超ハイペースでびっくりしましたね。ライブまでに公開されていたオリジナル曲、7曲ですからね。半数歌っちゃうのは驚きました。いや、盛り上がりましたが……。あと『心臓と絡繰』に入るときに現地からこれだよこれぇ! って叫び声が聞こえてきて笑いました。劇場も笑いで包まれました。なんだったんだろうなあいつ。

 

そういえば結局、ペースを落とさずに2時間で20曲近く歌ったんですよね。情報の過多でオタクは容易に死ぬ弱い生き物であることを考慮してほしい。

 

それから新曲が二曲。『エリカ』と『未確認少女進行形』。このあたりで気づき始めたんですが透過スクリーンに歌詞を映して歌詞が浮いている感じがとても良い。『エリカ』は書き文字演出でめちゃ芸術的でした。

『未確認少女進行形』は歌詞にハローハローってところがあるんですが、そこで花譜ちゃが手を振るのがもうありえないくらいかわいかった。歌うとき動き少ない系かと思ったら意外と踊るんだな……となりました。一瞬場内にぱっとライトが灯るのが印象的でしたね。曲もかわいかったから一刻も早くもう一度見たい。どちゃクソかわいい(はず)MVも見てみたい。

 

次にカバー曲、リーガルリリー『うつくしいひと』、崎山蒼志『五月雨』、大森靖子『死神』です。この辺MCがこれまためちゃくちゃかわいいんですよね。「リーガルリリーの沼にはまった」「15歳、五月雨作ったの13歳と聞いて人生何週目なんだろうと思った」とか。「このお三方は……お三方?」とか。話しなれてない感じでもうとにかく愛らしいんですよ。ギャップがありすぎる。娘にほしい。

あとこれは花譜からはちょっと離れたところですが、『五月雨』のギターがめちょ格好良かったです。

 

『死神』は超強烈で、本当に泣きそうになりました。


大森靖子「死神」Music Video

原曲聞いたほうが早いんですが、サビ以外語りっぽいんですね。この語りのような曲に花譜の歌い方がマッチしてて、本当に感情が爆発していました。15歳でこの歌にあれだけの感情をこめられるのは異常。花譜ちゃも人生三週くらいしてないか。もう一度聞かせてくれ……頼む……

 

前々からそうなんですが、ぼくは音楽詳しくないし花譜とは年齢もだいぶ違うから花譜がカバーする「わたしがすきなうた」はほとんど知らないんですが、全部聞けるんですよね。いわゆるうたってみた、だいたい知ってる歌をどんな風に歌うんかなと思ってちょっと聞くくらいなものなんですが、花譜は全部聞いちゃうんですよ。自分のものにしているという感じがするからかな。花譜はガチなんです(?)

 

その次は『祭壇』と『魔女』。この二つはバーチャルユーチューバーという文化に向けた曲といった感じで、曲が始まる前のMCで自分はこの文化がなかったらデビューしていなかったから、みんなに捧げたい旨のことを言っていてとても尊かったです。あと『祭壇』から『魔女』の繋ぎ方がえげつなく格好良かったですね。

 

そのあとは『quiz』『夜が降り止む前に』なんですが、この辺記憶が飛んでますね。『夜が降り止む前』には大沼パセリRemixで花譜ちゃんがめっちゃノリノリで踊っていて愛おしすぎた記憶があります。あと最後にボウ・アンド・スクレープっぽい仕草で締めるのがかわいかった。

お前花譜がかわいいことしか覚えてなくないか? と我ながら思いましたがわりと事実なので仕方ないですね。

 

この次はトークで「ロックな曲です」と言うからてっきり『過去を喰らう』だと思ったんですが、新曲『夜行バスにて』の奇襲を受けて圧倒されました。新曲多すぎない??? ってなりました。曲はこの曲本当にロック? ロックなのか?? と思ってたらサビでドンときてとても良かったです。

『夜行バスにて』が終わった後、バンドメンバーの紹介がはじまって、一人ずつ紹介されるたびに答える代わりに楽器を演奏するんですが、紹介されるたびに音が一つずつ増えていって、四人全員が演奏を始めたところで『過去を喰らう』のイントロにつながるという! 全体に曲の繋ぎが完璧すぎる……

あと過去を喰らうは最後に花譜ちゃんがくるくる回るのなんだったの。かわいさで殺す気か?

 

で、アンコール……は当然準備されていて(公開するといってた新衣装出てなかったしね)、何か歌から入るかなと思ったんですが、ボイスドラマ「御伽噺」から。最初はレスポンスしたり騒いでいたオタクくんちゃんたちがどんどん静かになっていって、そこから東京ゲゲゲイ『神様』に繋がるんですが、ここはもう完全に観客静まり返っていて、曲が終わってから拍手するだけでした。場の支配力がすごい。

 

フリートークをはさんでカンザキイオリ『命に嫌われている』。ここ、重厚に進行するところだと思うんですが、トークはやっぱりかわいかったですね。「君って語彙力ないんだね」と御伽噺で言っておきながら、花譜ちゃがカンザキイオリさんを賞賛する言葉が「すごい」と「神」の二つだけだったの面白すぎました。カンザキイオリ限界オタクじゃん。

しかしやはり歌に入ると雰囲気が一変して、本当にすごい。何度も驚かされますね。最後の「生きろ」というフレーズが少し掠れた声とあいまってとても切実な感じで感動しました。

 

 

そしてついに新衣装のお披露目。見たいですよね? の反応にちょっと気圧されていた花譜ちゃんはやはりかわいすぎた。オタクたち圧が強いもんね……高校生には怖いよね……ごめんな……

らぷらす(フードのさかな)に食べられて衣装が変わるというのは『過去を喰らう』のMVでもやってるんですが、何度見ても良いですね。


花譜 #22 「過去を喰らう」 【オリジナルMV】

スクリーンがたぶん三つあって、背景・花譜ちゃ・歌詞を映す透過スクリーンという構成で、これをうまく活用しているなと思いました。

衣装はねー、かわいいです。動くとかわいくなる。花譜ちゃんが大げさ……ってちょっと照れてるの良かったですね。はい。

 

そして今回のライブテーマでもある新曲『不可解』。語りがあるのが『死神』にも通じていて、やはりここの感情のこめ方がすごい。花譜がフードをかぶっているときはいつ脱ぐかが重要なところで、今か今かと待ち構えていたら本当に最後の最後でカタルシスが凄かったですね。


花譜 #03

フードについてはたとえばこれです。

 

最後は『そして花になる』。

集大成でほかの曲のメロディや歌詞がふっと織り込まれているのが良い。それから、サビの「あなたが知らなくたってどうでもよかった でもあなたがいるから私は私になれる」って歌詞が素晴らしいですね。「普通の人」である女の子は「花譜」でなくても歌うことに変わりはないんだけど、みんなが観測するからその女の子は「花譜」になるのだと。このライブに相応しい曲だったんじゃないでしょうか。

 

そしてまるで映画のようなエンドロール。100人を超えるスタッフ、4000人以上の出資者が一人の女の子をステージに上げるために動いていたのだなあと感慨深く思いました。そしてそこに自分の名前があるから超感動しますね!

 

歌唱の圧倒的な格好良さ、ポエトリーリーディングの泣きたくなるほど切実な感じ。垢抜けた演出、ライブ全体で一つの映像作品かのような完成された構成。一方でそれらとはまるで反対の花譜自身の溢れんばかりの愛嬌。一見すると相反する要素が組み合わされているようでいて、しかしそれ全部が花譜という存在を作り上げている。色々な要素を見事に組み上げて、一面的でない、複雑で不確かな存在を表現させたこのライブ・作品はまさに不可解なのだな、と。

 

でも色々な花譜(ちゃん)をこれでもかとぶつけられて感情の奔流でオタクは殺されましたね。死です。

 

きょうからあしたのせかいをかえるよ

とはライブの概要欄の一文。変わる世界をこれからも観ていきたいなと思いました。おわり。

 

 

花と心臓

花と心臓

 
夜が降り止む前に

夜が降り止む前に

 

Booth神椿レコード - BOOTHにて1stアルバム「観測」も発売です! よろしくおねがいします!!

 

無限回廊の終わり(岡山旅行:二日目午後~三日目)

というわけで岡山市へ。

岡山駅から岡山城へ行く途中に禁酒会館という1920年ごろにできた建物があります。不景気の中で飲酒に走る人が増えたことを憂いた禁酒活動家が作ったらしい。世知辛い話だ……。一階はカフェに改装されていました。

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で、岡山城なんですが撮ってないですね。宇喜多家が築城したお城ですが、関が原の戦い以後小早川秀秋、没後は岡山藩・池田家と城主が何度も変わっているのが面白いお城です。戦災で焼失して今のものは1966年に再建されたそうです。再建城だし……写真は……まあ……ええか……

そういえば、不明門という門があってちょっと字面が面白いなと思いました。基本的に開門することがなかったために「あかずのもん」と言われていたそう。「ふめいもん」じゃなくて残念。

 

その後後楽園に行きました。岡山藩主が造った庭園です。(雑な紹介だ)

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(これ夏に来る場所だな……)

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渋いといえば渋い。

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ちょっと面白かったのは庭園内に田んぼと茶畑があるんですよ。それから城主が家臣の乗馬の腕を確かめるための道と庵とかもあって、庭園のわりに実用的というかなんというか。写真は田んぼですが、これは昔はもっと広かったらしい。今も作っているそうです。すごい話だな。

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その後駅に戻って電車に乗って吉備津神社へ。伊部で時間を使いすぎた、というか良い感じの電車に乗れなかったためもう真っ暗でした。いやまあ5時過ぎくらいなんだけど。冬は日が短い。

吉備津神社桃太郎伝説のモデルになったといわれる鬼退治の逸話が伝わる神社で、とても長い回廊が有名です。ここは普段18時閉門なんですが、お正月は21時まで開門しているということで、セーフでした。良かった。

拝殿へ続く階段。雰囲気ある。

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何度目かの初詣をした後回廊を見ました。

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……怖い! 夜の稲荷大社的な恐怖を感じます。昼はたくさんいたであろう人も夜はほとんどいないのでめちゃくちゃ怖かったですね。RPGだと特定アイテムがないと先に進んでも永遠に同じ道が続くやつじゃんとか言ってました。幸いちゃんと言って帰ることができましたが。お正月しか夜に入れないので、ある意味で運が良かったとは言えそうです。

というわけで永遠に続く回廊を抜けて帰りました。といったところで二日目は終わり。

 

三日目は船に乗って直島へ。直島は瀬戸内海に浮かぶ、ベネッセコーポレーションがアート活動を展開している島です。岡山の宇野港からは20分くらいで着くので体感一瞬で着きます。なお香川県です。

島は大きくわけて船の着く宮浦港、現代美術が展示されたベネッセゾーン、古い町並みを残す本村(ほんむら)の三つのエリアがあります。三つまわって15kmくらい。全部歩きました。レンタサイクルもあるんですが、気づきませんでした。アップダウンがすごく多いのでそれはそれで大変そうではあります。

これは本村周辺。

 

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これは完全に余談なんですが、この辺は家の数に比べて本当にありえないくらい自販機が多くて、こんないらんやろ……ってなりました。なんであんなにたくさんあったのか本当に謎です。

 

ベネッセゾーン(命名は私)には現代芸術のオブジェが屋外にもたくさんあります。これは猫。たぶん猫。

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その後地中美術館に行きました。

ベネッセゾーンにはベネッセミュージアム、李禹煥美術館、地中美術館の三つがあります。建設はすべて安藤忠雄の設計によるもの。

ほかは外観を見るだけに留めたんですが、安藤特有のコンクリート打ちっぱなし建設と「建物と自然の調和」という建設テーマのためにだんだんトーチカ/バンカーに見えてきてちょっと面白かったですね。

 

地中美術館は名のとおり地下三階建ての美術館で、一部開口部がある以外は基本的に地中に埋まっている美術館です。ちなみに場内は撮影禁止。飲食も禁止です。厳しい。

徹底して余分な情報を廃した美術館といった趣で、真っ白な部屋にモネの『睡蓮』が飾られた部屋や、馬鹿でかい花崗岩の球体と三角・四角・五角柱の彫刻が配置された神殿のような空間『タイム/タイムレス/ノー・タイム』といった作品があります。多くの作品があるわけではなく、そう広くもないんですが、例によってコンクリート打ちっぱなしで似たような景色が続くのでちょっと迷います。館内マップないしわざとなんでしょうねって話をしました。

オタクは幾何学模様が好きだし何もない真っ白な空間も大好きなのでたいへん良かったですね。こういった作品は地下にありながら基本的に自然光で鑑賞するように作られていて、時間によって姿が変わるというのが作品の特徴だそう。なるほど。長い時間いて欲しいなら水を飲むのくらいオッケーにしてくれ。(美術館内にカフェはあります)(怖い商売では?)

 

といったところで岡山駅に戻って旅行は終わり。備中松山城とか、山のほうにいけなかったのと大山名人記念館にいけなかったのはちょっと残念。でもまあ車を運転するには死の覚悟がいるから仕方ないね。(練習しろ)