僕は忘れない、あの日のことを

140字では伝えられない。

きっと何者にもなれないお前の夢

※大量のネタバレを含んでるので、未視聴の方は注意してください。

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というわけでね、スターウォーズEP8 最後のジェダイ 見てきましたよ。カイロ・レン欲張りセットみたいな内容で大満足です。

続き物なのでまああらすじはいいかなって感じですけど、皇帝とベイダー亡きあと共和国は復権したけどぐだぐだに乗じて軍事力を増強した残党たちファースト・オーダーが共和国の首星ホズニアン・プライム星系(あれコルサントじゃないと後で知りました)をスターキラー基地で吹っ飛ばしちゃった! 暴力が全てを支配するマッドマックス世界と化した銀河で秩序はこの先生きのこれるのか! みたいな話です。まあ、英雄が消え行く時代を描くというのがこの三部作の目的でしょうけど。

 

いやね、ぼくはEP7のときからカイロ・レンくんが物凄い好きだったんですよね。EP7は厳しい評価結構多かったけど、ぼくはこいつがいるからまあいいかなって……。

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 (歪んだ愛情では)

EP8もねー、別に強くないんですよ。すぐ暴れるし感情を乱すし。これはこれまでからするとすごいキャラクター造形なんですよね。ベイダーもダース・モールも皇帝も超強キャラの趣ありましたからね。光と闇の間で行ったりきたりする情けない奴。本作はこいつが話の中心です。ぼくはもう今回はこいつの話しかしません。愛が重い。

ps://twitter.com/ellroyandblue/status/679ぼ

 

 ジェダイとシス(カイロ・レンはダース・~~でもないしこいつ別にシスですらなくない? というのはさておき)という関係から言うと、カイロ・レンは最後のジェダイとしてルーク・スカイウォーカーを追っているんですが、同時に師匠として裏切られた・見放されたからと復讐を行いたいとも思っているわけですね。暗黒面に落ちたのもそれが最初の理由。作中で自分から転落したわけではないとレイがルークに言ったとおり。

 

ところが暗黒面に向かってもスノークさんにはその迷いがバレバレで(態度で誰にでもわかる)イマイチ信用を勝ち取れない。EP7でハン・ソロを殺したのも、メンタル激弱カイロ・レンくんが退路を断つためにやってると思うんですね。ところがそれでもダメ。才能はそこそこありそうなのにクソメンタルのせいで師匠に見放される運命にあるのかなこいつ。で、レイと語る中で決心が揺らいで最終的に暗黒面の師スノークを殺してしまいます。

 

 これでね、レイに認められればまだ良かった。ところがEP3のアナキン・スカイウォーカーみたいなことを突如言い出し当然のようにレイにも拒絶されてしまう。しょうもない奴だ。誰にも認められないカイロ・レンくん、師匠ルークへの復讐すら失敗に終わり何者かになれなかったのにファースト・オーダーの全責任を背負う立場に(半ば成り行きで)なってしまったカイロ・レンくん。彼はどこへ向かうのか!? といったところでEP8は終わり。

 

まあ話の関係でレジスタンスはすごい危機に陥ってるんだけどレイが強靭な精神力を持ってるのでこっちはまあ大丈夫だろうなってなる。しかし彼女と相半ばするフォースの持ち主カイロ・レンは話の去就を全て決定しうる立場になってしまった。本当にどうするんだろうなこいつ。

 

面白かったのはハックス将軍にここで何があった? と聞かれたときにレイがスノークを殺したと言っちゃうところです。実はシスの教義って最終的に弟子は師匠を殺すもので、たとえばダース・シディアス(皇帝)だって師匠ダース・プレイガスを殺しているわけです。だから別に自分が殺したと言っても良い立場なんですよ、本当は。で、俺が最高指導者だとやっても良い。というか殺したの本当はお前だし。

でもそうは言わない。その上でハックス将軍に私の軍隊と言われると激昂してフォースチョーク使って指揮権を認めさせる。信じがたいレベルの超小悪党ムーブメントですよこれは。お前本当に大好き。

 

カイロ・レンは才能のないアナキンみたいとか言ってたら、作中でスノークさんがお前はベイダーにはなれなかった、というかそのふざけたコスプレ仮面外せとか言ってて笑いそうになりました。

 

膨大な岩をいっぺんに浮かせるレイとかそれを好き勝手動かしたスノークとか離れた星域からビジョンを見せるルークとかフォースの力ヤバくないですか。ルークは最終的にフォースと一体化したからまだわかるんですけど。設定上レイと五分であろうカイロ・レン? ……まあEP7ではブラスター止められたし……

 

 ◆

 どうでもいいんですけど、ハイパースペースドライブであんなことできるなら、無人船を大量に作成して相手の船がいる宙域に片っ端から飛ばしていったほうが率が良さそうじゃないですかね……(それはそうとして大惨事感があるあのシーンの演出は好きです)

 

 ◆

 

 

 

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"永世"ヒーロー(第30期竜王戦を振り返る)

羽生善治棋聖渡辺明竜王の第30期竜王戦は4-1で挑戦者の羽生棋聖が勝ち、竜王位を獲得した。これで通算7期と永世竜王位の有資格者となり、同時に七冠全ての永世位有資格者となった。(通常永世を名乗るのは引退後)

 

羽生善治という棋士は、言わずもがな将棋の第一人者であり、そして棋界のスタープレイヤーでもある。二つは明確に別の要素で、第一人者でも人気がイマイチな人はいるだろうし、超一流でなくても人を魅せるプレーをするスターの素質がある人もいる。他にたとえば角界なんかでは、第一人者がスターというよりある種のヒールになったりもする。第一人者にも色々ある。

 

そう。羽生善治という棋士は超一流であり、そしてスーパースターである。

 

今期の竜王戦も挑戦から奪取に至るまで、何度も我々将棋ファンを魅了し、並居る棋士たちを唸らせ、そして対局者を圧倒してきた。

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82金→81金→71金→72金→73金→63金

>僻地に打った金が獅子奮迅の大活躍。鮮やかな手腕というほかない。

2017年7月31日 決勝トーナメント 羽生善治三冠 対 稲葉陽八段|第30期竜王戦

 

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竜王挑戦へ前進させた強打33桂打。

>△3三桂打に「ええっ」と佐藤康九段。「すごい手がきた」と控室は盛り上がる。

2017年9月8日 挑戦者決定三番勝負 第3局 羽生善治二冠 対 松尾歩八段|第30期竜王戦

 

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大きな二勝目をあげる要因になった、再び現れた攻めを繋ぐ桂の重ね打ち。

>控室は思いがけない手の出現に盛り上がっている。大盤解説から戻った金井六段は「鋭い手を指されたという印象です。桂打ちは見えない。私は見えないです」と首を振った。

2017年10月28日〜10月29日 七番勝負 第2局 渡辺明竜王 対 羽生善治棋聖|第30期竜王戦

 

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▲45銀△55銀に▲25桂。

3-1の決戦局で見せた果敢で斬新な新構想。局後の記者会見で『常に最先端を探求していくという思いでいます。』と語った通りの、現代将棋らしいスピード感溢れる攻め筋。

>青野九段は「この格好で▲4五銀とぶつけた将棋は見たことがありません。(中略)誰もやったことがない仕掛けです。今までの常識を覆す? 決してオーバーな表現ではないかもしれませんよ。先手に成算がないといきませんから」と続けた。

2017年12月4日〜12月5日 七番勝負 第5局 渡辺明竜王 対 羽生善治棋聖|第30期竜王戦

 

そして羽生二冠自身が今期竜王戦で一番苦労したと語った第四局の66飛。

2017年11月23日〜11月24日 七番勝負 第4局 渡辺明竜王 対 羽生善治棋聖|第30期竜王戦

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56飛なら決めにいく感じだが、これは65飛と引くのですぐに決まる感じではない。控室もそう見たし、誰もがそう思った。対局者の渡辺棋王も局後ブログで

>▲67銀のところは上手く粘ってあるいは逆転してるんじゃないかと思っていましたが

と語っていた。羽生二冠だけが見ている世界が違った。

 

88金68玉65飛に飛車を歩や香車で追おうとすると、飛車角を取る間に46歩から47歩成と挟撃体制を築かれる。そこで先に34銀と角を取るがこの瞬間に66歩56銀を入れて36桂。

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▲38飛に△34銀と手を戻して▲65銀△48銀までいくともう先手玉にはほぼ受けがない。「長くなる」といわれた66飛からまだ13手後の話だ。

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この中空の飛車打ちが見えたからこその66飛。凄いのは、相手に対応を強要する(先手を取る)手で寄せているのではなく、悠然と65飛や34銀と駒を取っても、先手に有効な粘り方がないと見ていることだ。トッププロもこの寄せを絶賛する。

深浦康市九段「いやー、やりますね。感動しました。なるほど、これを狙っているんですか。△4八銀までを、先ほどの△6六飛で読んでいたのかもしれません」

藤井猛九段>△6六飛と寄ったところで、この寄せを読んでいないといけません。神技的な寄せですね。こういう手順はちょっと浮かばないですから。
△8八金と打ったときは先手玉が全然縛られている雰囲気はなかったのに、こうなると8八金も絶品の配置ですよね。

 

渡辺棋王も羽生二冠も、タイトル戦前まで不調が囁かれていた。特に羽生二冠は13年ぶりにタイトルがひとつまで後退していたこともある。

渡辺棋王にはやや不本意な出来だっただろうか。第五局も最後の最後まで指したのは相当な無念があったからだろう。だが、タイトルを取ったのは相手が崩れたからではない。いつの誰が相手だったとしても彼に勝てるのか。そう思わせるほどの圧倒的な気迫と技術の粋がこの竜王戦の羽生二冠にはあった。

 

そういえば、今年同じく日本を熱狂させた藤井四段の29連勝に際して、羽生二冠は「檜舞台で戦える日を待っている」と語った。檜舞台で"待つ"には自分もまた第一人者であり続けなければならない。それだけの能力と意志を、この竜王戦で感じられた。

 

あらゆる記録を打ち立ててもなお、羽生二冠が探究心を持つ限りは、これからもスターとして、一流の棋士として、将棋ファンを沸かせ、控室を唸らせる将棋を指してくれるだろう。これからの活躍を期待している。

 

本当に今日は将棋史に残りそうな日なので、文章が乱れまくりだけど今日中に書くんやという強い意志です(構成はちゃめちゃの言い訳)

大きな買い物には人生観が出る

 また二ヶ月くらい放置していました。前回阿蘇に行ったときに、ロードバイクで踏破している人を見て自分も欲しくなったみたいなことを書いていたのですが、未だ買っていません。本当は自転車買って蕩尽の躁状態のまま何か書こうと思っていて、それが為せなかったので放置することになったというわけです。言い訳やめろ。

 

まあちょっとした葛藤があってですね。スポーツサイクルってクロスバイクロードバイク・マウンテンバイクが主流にあって、ぼくの阿蘇踏破という希望からいうと買うべきなのはロードバイクにあたるわけですよね。ただ、多くのインターネット「初心者向け」謎販促ページ(?)では、初心者にオススメなのはクロスバイクロードバイク(アルミフレーム)とされているわけです。値段帯は5~10万円くらいかな。

 

なるほどと思いましたが、ここでちょっと立ち止まって考えてしまうわけです。いやぼく超薄給だしそこで一度立ち止まるよりは、いきなりロードバイク(カーボンフレーム)みたいなそれなりのもの買ったほうが総合的に見ると安く済むんじゃない? みたいな。値段はそうですねー、20万円くらいの。特に自転車のフレームって替えられないわけですから、ここでお試しセットに決して端金ではない10万円投資するより、良いものを買ったほうが良いじゃないですか。

 

それにぼくは趣味でもわりと真面目にやりたいタイプなので、そこそこに楽しめばいいじゃんみたいなのがあんまり好きじゃないんですよね。有酸素運動経験者なら誰もが考えるであろうもっと速く・もっと遠くへってきっと考えるわけです。ぼくは日に5km、月150km走ってたころ、なんかこれ二倍走れる気がすると"ふと"思い立って月300kmに増やした経験がありますし。

 

じゃあ買えばというとそういう話にはならなくて、ぼく現実には何ごともあんまり続かない性質なんですよ。飽き性なんですね。20万円+その他諸々の装備品買って本当に続くの?(こどもチャレンジ販促漫画のママみたいだ)的な不安感はどうしてもありますよね。誰か自転車乗ってる友人が近くにいるわけでもないし。ダメージ少なく済むようにしたほうがいいんじゃない的な面もやはりありますよね。

 

というところで思考が止まってしまって、まあ時間だけが過ぎたわけです。

このくらいの規模の買い物するケースってなかったので初めて気づいたのですが、こういうのってなんというか性格が出るよなあって感じがしますね。これまでにお金を費やしてきたものって人生そのものとほとんど同じなんだなあとぼんやり思いました。

 

しかし、どうしましょうかね。誰か買ってくれるのが一番なんですけど……(チラッ

ところで薄給なのに娯楽にお金使っていいのかって? 境遇を抜け出すために投資するか何かのときのために貯蓄するべきではって?

ごもっとも。

でもですね、先ほど書いたとおり、大きな買い物には人生観が出るんです。

音が消える場所(熊本-天草旅行:二日目~三日目)

昨日は熊本城を見てまわったところまで。

 

熊本駅から、三角駅という天草諸島の入口にある九州本土の駅までは、特急A列車という観光列車に乗りました。

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あ、車内の写真ほとんど撮ってないな(酷い)

車内も雰囲気が良いです。なんとですね、車内にバーがついてるんですよ! これから車運転するのでお酒は飲めませんけど。車内はずーっとジャズ「A列車で行こう」が流れていました(同行者に曲名を教えてもらいました)

それから、乗車記念に何日に乗りましたというプレートと記念撮影もしてくれました。

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通る場所も素敵です。

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わかるかな……。車窓から一面の海が広がります! 熊本駅からだとC席、D席が海側になりますね。ちなみに見て分かるとおりA席でした。やはり人気で取りにくいっぽい。

 

そこから本渡という天草の中心部まではフェリーで向かいました。

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やはり海が綺麗です。

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なんかカヌー?の名所っぽい。彼以外にも複数いました。楽しそう。

 

本渡でレンタカーを借ります。車を借りたトヨタレンタカーまで港から2kmくらい。個人的にはこれは夏だろうと余裕の徒歩圏内なのですが、港で案内を見ていたらタクシーのおじいちゃんに呼び止められ、お天道様に殺されちゃうよ!(意訳)と熱烈な営業を受け、タクシー乗りました。気温と熱意に負けた。

レンタカーを借りて、ご飯を食べたら崎津という有名な教会へ向かって出発です。ちなみに天草は寿司が良いという話をフォロワーのフォロワーに伺っていたのですが、伺った二件はどっちもいっぱいで予約のみでした。天草どんだけはやってるの寿司。

 

市街地を抜けて少し行くとガチ田舎という感じになりました。最高。感傷者たちの夏は田舎なんです。わかりますね?

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ここは途中で車止めて見てまわりました。(人が生活している場所なので当然観光的な何かは何もないです)

なんかね、とにかく静かなんですよ。いや、虫の鳴き声とか、鳥の鳴き声とか、遠くのポンプの音とか、音はあるんですけど……人の気配が全然なかったからでしょうか。セミとかうるさいだけやんけ! と思ってましたけど、芭蕉の「しずかさや」の歌はこういうことだったのかなあと思いました。

 

と感傷の末、崎津へ。

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港から。教会の立地がめっちゃ良い。

 

そして教会です。

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尖塔! これゴシック建築だ! チャレンジでやりました!!

中はなんと畳敷きでアットホームな感じでした。天草も長崎同様、厳しい禁教政策の中で信仰を守り続けた場所です。今建っている場所も、元々は踏み絵が行われていたお屋敷だったそうですよ。

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手前から二件目の家は軒先に注連縄が飾ってあります。「天草は寿司」のフォロワーのフォロワー曰く、これは自分たちは隠れキリシタンではありませんよ、という主張のために正月をすぎてもつけていたそう。その風習が今でも残っているのですね。(有益な情報ばかりくれるめっちゃ有能)

まあこれ本当は猫撮ってたんですけどね。長崎の池島もそうでしたけど、人口が少なくなった町は猫の町になるっぽい。猫。猫。猫。他にも猫がたくさんいました。

 

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教会の反対、山側には崎津諏訪神社があります。キリシタンも参詣していたんだそう。不思議ですね。ちなみに拝殿を抜けると500段くらい(数えた)の石段があり、展望所へ向かえます。死ぬほど暑かった。

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しかし登ったかいがありましたね。景色が良すぎる(語彙力)

といったところで下山し、今日泊まる苓北町天草下島の北の方です。熊本の電力の大半をまかなう発電所があるそう)の民宿へ向かいました。途中は夕日の名所がいくつかあったのですが、夏は日が長く、見所はもう少し先という感じでした。残念。でも綺麗でした。

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で、めっちゃ迷った。カーナビに民宿の電話番号を入れると山中が表示されるんですよ。ダムに着く。地図会社ゼンリンを許すな。民宿の経営者は33歳のイカしたあんちゃんでめっちゃ面白かったです。同行者は年齢が近いこともあって意気投合したらしく、話し込んでたら別の宿泊者に共同経営者ですかと訊かれたらしい。めっちゃウケるな。

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泊まったところはこんな感じです。蝉と蛙の鳴き声が響き渡っていた。

といったところで二日目は終了です。ご飯おいしかった。

 

北の方を通って帰る予定だったのですが、複数の天草民(本渡のタクシーの運転手と民宿のあんちゃん)の「牛深はいいぞ」トークを受け、来た道を戻って天草下島南端の牛深へ。途中に昨日寄る時間のなかった、もう一つの有名な教会である大江教会へ。

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こちらは小高い丘の上にある教会で、やはりロケーションは最高でした。(天草最高じゃない景色ない説もある)

中に平和のための祈り(調べたらフランシスコの平和の祈りというみたいだ)というのが掲載してあって、そこの『慰められることよりも慰めることが、理解されることよりも理解することが、愛されることよりも、愛することができるようにさせて下さい。』ということころで感じ入ってました。

こんなことtweetしてたからですかね。

 

ふもとにはロザリオ館という資料館があります。キリスト教の広がり・弾圧・島原草の乱、そして信仰の復活と一通り学べる良い資料館でした。観音をマリア像と見立てる観音マリア像や、口伝の中で意味不明の呪文と化した、元はヘブライ語だったオラショ(祈祷文)なんかが興味深かったです。

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 それから牛深の方へ。

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海がヤバいくらい綺麗(語彙力:二回目)

 

ここで魚正という、民宿のあんちゃんがお勧めしてくれた魚屋へ行きました。おいしい。

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選曲センスがザ・昭和でいいよという話を受けてきたのですが、確かに昭和でした。というかこの一帯はここに限らず昭和感があると思います。

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(料理店遠景。一回はお魚屋さんで、二階で料理がいただけます)

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となりのお土産やさん。雰囲気良いですね。店主の品の良いおじいさんと少しお話をしました。

牛深はまあ観光地っぽさがゼロで、ただ海と人々の生活がありました。

人の営みを見てきたのだと思っています。まあ本当は都市部で行き交う膨大な数の人々にもそれぞれの人生があるんですけどね。

 

といったところで熊本市内へ戻ります。車の返却は市内で行います。

 

めっちゃ混んでた。大渋滞です。天草から車で熊本に戻る橋はひとつしかないので、そこで混んじゃうのかもしれません。その辺は運転してたんですけど、同行者がLA.LA.LANDのAnother day of sunを散々リピートするのでめっちゃ不吉な選曲じゃんとか言ってました。

16時に解散予定で17時に車返却の予定だったんですが、到着は18時で当然のように間に合わなかった。この旅行スタートはともかく一回も終わりの時間に間に合ってないな。ある意味凄い。

 

 

そんな感じで終わり。天草は静かで綺麗な場所でした。三日とも晴れて本当に良かった。長崎のようなここも行きたかった系は特になし。今回は、ぼくは満足です。

まあ今回何よりも良かったのは無事に旅行を終えたことですね。マジで運転はヤバいと思っていたので。まあ実際ヤバいところもいくつかあったと思いますが、ゼロ災で最後までいけたので。

でも次は時間を守る力を身につけたい(無理そう)

 

ゼロ災へ(熊本-天草旅行:一日目~二日目朝)

というわけで、三連休は熊本にいました。交通の便にかなり問題があるということでレンタカーを借りたのですが、ぼくも同行者も完全にペーパードライバーでかなりヤバい感じでした。過去一番危険な旅行だったのでは。無事で終わって本当に良かった。ちなみに今日も一日ゼロ災で行こう・サーキットに行け(後述)などの文言が飛び交う車内でした。

 

日程は初日の昼~二日目の朝まで熊本で、そこから天草に移動して三日目に熊本に戻ってきて終了という感じ。熊本は市内ではなく阿蘇の方へ行っていました。ということで感想書いていきます。

 

昼について危険が危ない感じ(最初の方は本当に危険だった)の運転で阿蘇方面へ。国道57号線というのが市内から阿蘇へ向かう大きな道路なのですが、一年前の地震の影響で阿蘇へ向かう途中で封鎖されているので、途中で迂回する必要がありました。その他も阿蘇へ至る道路は大半が封鎖されていて、未だ事実上一箇所に集約されている感じではないでしょうか。春くらいまではどこも封鎖されていたみたいですし、近くを通る豊肥本線という電車は肥後大津から阿蘇間で現在も運転見合わせ中です。

 

とはいえ迂回して通るミルクロードという道はそれ自体が観光地みたいな道で、うおー綺麗綺麗と言いながら車を走らせていました。他にWindowsで見たなどの発言もありました。写真では分かりませんがが、何が凄いって見渡す限り360度こんな景色なんですよ。壮大な原野なんですね。美しい。ただし帰るときは似たような場所と道路が続くので逆に迷いかけました。持ってて良かったGoogleMap。

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それから北山を経て大観峰という山へ。外輪山を尾根伝いにぐるっと大回りする感じでしょうか。大観峰阿蘇の北の外輪山では一番大きな山です。

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画面右がカルデラ内にある阿蘇五岳……でしょうか。うち三つ見えて中央がたぶん噴火口がある山です。(適当)そういえば周囲にぐるりと山があって、平地が続いた後おおきな火山があるというのなんとなくロード・オブ・ザリングっぽいな(伝われ)

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外壁は概ね断崖になってて結構怖い。

大観峰大観峰って石碑があったり立て札があったりしたんだけど、撮ってないのでどこからが大観峰の写真かが思い出せない(酷い)

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これは間違いなく大観峰でとりました。画面の中央辺り、この稜線上に二人組がいるんですけど、わかりますかね。よく見たらいます。凄い大きさなんですよ。

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これも大観峰の写真です。中央に二人組がいますね。

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というわけです。

実は本当の目的地は草千里という場所だったのですが、大きな迂回が必要だった上に山に入る辺りで相当な渋滞をしていて、時間的に限界だったのでここで撤退。そもそも同行者もぼくももうここがゴールでいいんじゃないかな的な満足をしていました。でも道路が全て通るようになったらまた行きたいところです。

 

下山する際に、「じいちゃん飛び出し注意」「急いでも五分も変わらない」などといったスピード規制の標語看板がぼこぼこと現れ、その中の一つが「サーキットに行け」でした。(写真は撮れなかった)

「サーキットに行け」は余りの語感の良さに同行者と大爆笑し、これで事故ったらどうするとか言ってました。市街地ではなく山道やリアス式海岸の海岸沿いなどカーブの多い道を運転していたこともあり、その後の三日間にわたりスピード過多の車を発見するたびにこの標語が口に出ることになりました。皆さんも使うと良いですよ、サーキットに行け。

 

その後熊本市内に戻る前に地震で大きな被害を受けたという益城町へ行きました。あまり観光気分で行くようなものではないと思うのですが……

普通の民家なのであまり大っぴらにするものではないのかなと思うのですが、未だ傾いでいる家や、崩れた家などそこかしこに見られました。ぼくたちは町の中心付近しか見ていないので、山間部はもっと酷いのかもしれません。もちろん新たに建築中の家もたくさん見ました。

 

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町役場からすぐのところにある木山神宮は特に地震の大きさを身をもって体感しました。本殿は倒壊したままで、周囲のものも倒れたり崩れたりしていました。

 

言い方は良くないと思いますが、見るべきものを見たと思っています。

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車を返し(当然のように当初の返却予定時間には間に合わなかった)ホテルへ。熊本ラーメンを食べて寝ました。慣れない運転で異常なほど疲れました。早く寝たわけじゃないですけどね。

 

朝起きて熊本城周辺をぐるっとまわりました。こちらも天守をはじめ多くの被害を受け、未だ大部分は入ることができません。

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(被害状況の写真ばかりアップロードするのは行儀が悪いと思うのですが)

ちょっと撮り忘れたのですが、城内公園にはところどころ石を並べておいているんですね。何なのかと思ったのですが、石垣を修復する際に、

1.石材の特徴を調べる

2.元の石材がどこにあったのか調べる

3.実際に積み直す

という、気の遠くなるような巨大ジグソーパズル的修復法をしているらしく、そのための仮置きだそうです。真摯な修復方法に感動してしまいました。

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今のところ、天守閣をもっとも近くに望めるのは、加藤清正を祭っている加藤神社の一角でしょうか。加藤神社は城内にあるので目の前の堀は内堀のはずなんですけど、堀の高低が大きくてびっくりしました。大きなお城だ。

 

といったところで二日目の朝まで終わり。天草までの移動からはまた今度。

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ちなみに権威主義体制下にありがちな壁面に描かれた最高指導者の絵も熊本城の目の前にあります。(同行者がtweetしたらわけわからんくらい伸びて爆笑していた)

 

感想なのですが、道中に阿蘇山ロードバイクで踏破するつわものを見てめっちゃくちゃスポーツ自転車買いたくなりました。つい最近沼沈めフォロワーが現れたこともあり。まあ登坂するのははっちゃめちゃに鍛えないと無理でしょうけど、あの景色の中自転車走らせるの最高っぽいなと思いました。まあ実際やったら早く下り坂になれと思いそうだけど。

その一瞬は永遠となるか

前回の記事を見ると2月26日付で如何に放置していたかが可視化されてしまっていた。ついでにブックマークからブログトップを開くと自動ログインが切れていて書く気すらなかったことが丸分かり状態だった。まあいいよね。定期的に更新するなんて言っていないし。

 

GW中特に遠出することもなくごろごろしていたら、あっという間に終わりを迎えつつあるわけですが、それはともかくGW期間中に映画を6本くらい借りてしまったので頑張って見ているわけです。多い。まだ3本くらいある。多い。

 

頑張って感想を書きます。そういえばラ・ラ・ランド見たのに感想書いてないな。まあ各所で絶賛されているのでそういう感想を参照にしてください。(投げやり)

 

 

ザ・ウォーク

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大道芸人フィリップ・プティが綱渡り師を志し、そしてワールドトレードセンターの二棟を綱渡りするに至るまでの物語。

 

怖い。

ぼく高所恐怖症なんですよ。腰浮かしましたもんね。いてもたってもいられない感じで一部立って見てました。映画館の迫力でこれを座ったまま見るの拷問じゃないですか。怖い。一方でその恐怖感が高さの美しさと繋がっているわけです。質悪い映像美だ。

 

作品全体の雰囲気は非常に明るいのだけど、準備(無許可で綱渡りをするのは違法です)でも綱渡りでもスリルを失わないのはフィリップの共犯者たちが「普通の人間」だからなんでしょう。捕まるのは怖い、高いところは怖い。(そういう人間たちに容赦なく任務を与えるさまにフィリップの人間性が出ている。特に地上400mで高所恐怖症の男に作業させる様は異常だ)

 

作品のテーマは一瞬と永遠。

フィリップが違法行為の綱渡りを行うのは永遠に名を残すためだったが、ワールドトレードセンターを綱渡りする中に永遠を感じる。綱渡りにおいて「敬意を表す」の意味が分からなかった彼がはじめて礼をするのは、綱渡りの外ではなく、その中に本質を見たからだ。

アイルトン・セナが時速300kmで神の世界を見たといったが、将棋にも思考の最中時速300kmの世界がある」

 とは羽生三冠の言だけど、フィリップが見たのも『時速300kmの世界』ではなかったか。極限の集中の中で不確かなはずの一歩は確固たる一歩となる。「ボールが止まって見えた」かのように、あらゆる状況に即座に対応できるよう一瞬の感覚が長くなっていく。

フィリップは長くその感覚を味わおうとするが、その一瞬は本当の意味で永遠ではない。レースには終わりがあり、将棋にもいつか終局が訪れる。綱渡りも同様だ。人はワイヤーの上で生きていくことは出来ないし、大きな負荷がかかっているワイヤーにも限界がある。ワイヤーから降りる中で、その永遠は元の一瞬へ戻っていく。

 

その芸術は一瞬で終わらず、フィリップの名を残すだけで終わるわけでもなく、ワールドトレードセンターへ永遠の命を吹き込んだ。フィリップに贈られたワールドトレードセンター展望台の期限が「永遠」であったように。 しかしその永遠が本当の意味で永遠足りえなかったことは、誰もが知っている。地上400mの恐ろしくも美しい光景もニューヨークの象徴であったその威容も、永遠の美であり、過去の一瞬の美でもあるのだ。

 

一瞬と永遠がテーマになることは見ればわかる(このテーマで書こうと思ったら先に本質をばしりと書かれていたのでぼくは泣いた。パクリじゃないからな)

amberfeb.hatenablog.com

 

 

王道――その挑戦的な揮毫

第75期A級順位戦は2月25日に全日程を終えた。竜王戦のごたごたがあって、A級順位戦も消化不良の一面があったことは否定できないが、8勝1敗のすばらしい成績を残した挑戦者には誰も異論を挟まないだろう。稲葉陽八段は昇級一期目にして挑戦権を掴んだ。

 

稲葉八段は名人佐藤天彦と同い年の関西の棋士だ。個人的には、やや受け将棋よりではないかなと思う。7月の王将戦一次予選では生粋の攻め将棋の畠山鎮八段に、忍者銀という守りが薄い代わりに攻撃的な戦法を使ったにも関わらず、最終的には受けまくって勝っていた。

 

佐藤名人も昇級一期目で8勝1敗の成績を残して挑戦権を獲得し、王者羽生善治を下して名人となった。今度は立場を変え、勢いに乗る挑戦者を迎え撃つことになる。ところで、名人は棋戦叡王戦も優勝し、名人戦が行われるのとちょうど同時期に、電王戦で将棋ソフトPonanzaと対局することになる。Ponanzaはとても攻撃的な棋風だ。そしてべらぼうに強い。名人はタイプの違う強敵と同時期に戦うことになった。苦戦は必至だろう。

 

佐藤名人はよく「王道」と揮毫する。ぼくは最初みたときとても挑戦的だなと思った。自分の指し手は王道である、少なくとも目指す先は本筋そのものであると意思表明するのは勇気がいることだ。たとえばぼくが自分の将棋を王道と称したら死ねあんぽんたんと言われておしまいだ。プロ棋士の中だって、自分の将棋は王道ですと言い切れる人はそんなに多くないと思う。将棋の宇宙の中で、自分の選ぶ指し手こそが王道であると言い切るのはとんでもなく挑戦的なはずなのだ。

 

王道。目指す目標として書いているのかもしれないが、佐藤名人の将棋は「これが王道か」と捉えられるようになっている。奇抜に走らず自然な指し手を積み重ねて自然に勝つ、王道の将棋。この揮毫はもう佐藤名人の棋風を表す言葉となった。その言葉が挑戦的と言う人はもういないだろう。

 

四月から名人戦・電王戦と、苦しい戦いが続く。それでもきっと、名人の将棋は王道から外れない。四月からの戦いを楽しみにしている。