僕は忘れない、あの日のことを

140字では伝えられない。

無限回廊の終わり(岡山旅行:二日目午後~三日目)

というわけで岡山市へ。

岡山駅から岡山城へ行く途中に禁酒会館という1920年ごろにできた建物があります。不景気の中で飲酒に走る人が増えたことを憂いた禁酒活動家が作ったらしい。世知辛い話だ……。一階はカフェに改装されていました。

f:id:ellroyandblue:20190106200320j:plain

で、岡山城なんですが撮ってないですね。宇喜多家が築城したお城ですが、関が原の戦い以後小早川秀秋、没後は岡山藩・池田家と城主が何度も変わっているのが面白いお城です。戦災で焼失して今のものは1966年に再建されたそうです。再建城だし……写真は……まあ……ええか……

そういえば、不明門という門があってちょっと字面が面白いなと思いました。基本的に開門することがなかったために「あかずのもん」と言われていたそう。「ふめいもん」じゃなくて残念。

 

その後後楽園に行きました。岡山藩主が造った庭園です。(雑な紹介だ)

f:id:ellroyandblue:20190106202554j:plain

(これ夏に来る場所だな……)

f:id:ellroyandblue:20190106202641j:plain

渋いといえば渋い。

f:id:ellroyandblue:20190106202734j:plain

ちょっと面白かったのは庭園内に田んぼと茶畑があるんですよ。それから城主が家臣の乗馬の腕を確かめるための道と庵とかもあって、庭園のわりに実用的というかなんというか。写真は田んぼですが、これは昔はもっと広かったらしい。今も作っているそうです。すごい話だな。

f:id:ellroyandblue:20190106202845j:plain

 

その後駅に戻って電車に乗って吉備津神社へ。伊部で時間を使いすぎた、というか良い感じの電車に乗れなかったためもう真っ暗でした。いやまあ5時過ぎくらいなんだけど。冬は日が短い。

吉備津神社桃太郎伝説のモデルになったといわれる鬼退治の逸話が伝わる神社で、とても長い回廊が有名です。ここは普段18時閉門なんですが、お正月は21時まで開門しているということで、セーフでした。良かった。

拝殿へ続く階段。雰囲気ある。

f:id:ellroyandblue:20190106204344j:plain

何度目かの初詣をした後回廊を見ました。

f:id:ellroyandblue:20190106204546j:plain

……怖い! 夜の稲荷大社的な恐怖を感じます。昼はたくさんいたであろう人も夜はほとんどいないのでめちゃくちゃ怖かったですね。RPGだと特定アイテムがないと先に進んでも永遠に同じ道が続くやつじゃんとか言ってました。幸いちゃんと言って帰ることができましたが。お正月しか夜に入れないので、ある意味で運が良かったとは言えそうです。

というわけで永遠に続く回廊を抜けて帰りました。といったところで二日目は終わり。

 

三日目は船に乗って直島へ。直島は瀬戸内海に浮かぶ、ベネッセコーポレーションがアート活動を展開している島です。岡山の宇野港からは20分くらいで着くので体感一瞬で着きます。なお香川県です。

島は大きくわけて船の着く宮浦港、現代美術が展示されたベネッセゾーン、古い町並みを残す本村(ほんむら)の三つのエリアがあります。三つまわって15kmくらい。全部歩きました。レンタサイクルもあるんですが、気づきませんでした。アップダウンがすごく多いのでそれはそれで大変そうではあります。

これは本村周辺。

 

f:id:ellroyandblue:20190106210859j:plain

f:id:ellroyandblue:20190106210341j:plain

これは完全に余談なんですが、この辺は家の数に比べて本当にありえないくらい自販機が多くて、こんないらんやろ……ってなりました。なんであんなにたくさんあったのか本当に謎です。

 

ベネッセゾーン(命名は私)には現代芸術のオブジェが屋外にもたくさんあります。これは猫。たぶん猫。

f:id:ellroyandblue:20190106212048j:plain

その後地中美術館に行きました。

ベネッセゾーンにはベネッセミュージアム、李禹煥美術館、地中美術館の三つがあります。建設はすべて安藤忠雄の設計によるもの。

ほかは外観を見るだけに留めたんですが、安藤特有のコンクリート打ちっぱなし建設と「建物と自然の調和」という建設テーマのためにだんだんトーチカ/バンカーに見えてきてちょっと面白かったですね。

 

地中美術館は名のとおり地下三階建ての美術館で、一部開口部がある以外は基本的に地中に埋まっている美術館です。ちなみに場内は撮影禁止。飲食も禁止です。厳しい。

徹底して余分な情報を廃した美術館といった趣で、真っ白な部屋にモネの『睡蓮』が飾られた部屋や、馬鹿でかい花崗岩の球体と三角・四角・五角柱の彫刻が配置された神殿のような空間『タイム/タイムレス/ノー・タイム』といった作品があります。多くの作品があるわけではなく、そう広くもないんですが、例によってコンクリート打ちっぱなしで似たような景色が続くのでちょっと迷います。館内マップないしわざとなんでしょうねって話をしました。

オタクは幾何学模様が好きだし何もない真っ白な空間も大好きなのでたいへん良かったですね。こういった作品は地下にありながら基本的に自然光で鑑賞するように作られていて、時間によって姿が変わるというのが作品の特徴だそう。なるほど。長い時間いて欲しいなら水を飲むのくらいオッケーにしてくれ。(美術館内にカフェはあります)(怖い商売では?)

 

といったところで岡山駅に戻って旅行は終わり。備中松山城とか、山のほうにいけなかったのと大山名人記念館にいけなかったのはちょっと残念。でもまあ車を運転するには死の覚悟がいるから仕方ないね。(練習しろ)